DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

サマーウォーズ」観てきた。
なんていうか、あまりにも「ウォーゲーム」だったので感動した。
ウォーゲームっていっても、デジモンじゃなくて(観てない)、
ジョン・バダム監督の、80年代の傑作SF映画「ウォーゲーム」の方である。


「ウォーゲーム」の主人公は、天才ハッカー少年である。
それ以外のとりえなんてなくて、成績が悪いのを学校のコンピュータに侵入して書き換えてごまかす、なんてことをしていたのだが、
彼があるとき、どこかの研究所のコンピュータに侵入したことから事件が巻き起こる。
少年は、そのコンピュータに開発者の死で放棄されたまま眠っていた、超高性能AIに接触してしまったのである。
目覚めたAIは、外部の存在を知り、開発者と彼の存命中にゲームをして遊んでいたように、
ゲームをする相手を探しはじめ、アメリカ政府のコンピュータにたどり着く。
モニター上で謎の勢力(というかソ連)の攻撃を受けたと勘違いしたアメリカ政府は、第三次世界大戦の恐怖にパニックに陥るが、
真相を知る少年たちは、開発者の友人と会い、
打開のヒントを得る。彼らはAIに、マルバツゲーム(マルかバツかが三個並んだら勝ち、というアレ)をやらせる。
AIはそのゲームを何度も繰り返し、熟練すると勝負が付かなくなる、無意味なゲームであることを学習する。
そしてそれと同様に、戦争もまた勝負の付かないゲームであることを悟った彼は、
ゲームをやめて去っていき、世界の危機は辛くも回避される。
うろ覚えだけどストーリーはこんな感じ。


マルバツゲームが花札になっていたのを始めとして、
色々オマージュになってるっぽくてすごくよかったのだけれど、
サマーウォーズ」ではAIは軍事ネットワークではなく世界全体を巻き込んで被害を及ぼしており、
また、AIはほとんどコミュニケーション不可能で、説得の対象ではなく単純に倒すべき存在として描かれている。
ゲームのやり方も、AI本人に戦争の無意味さを思索させた「ウォーゲーム」に対し、
直接対決に持ち込んでいった(これもコミュニケーション?)点で大きく異なる。
80年代版「ウォーゲーム」との比較によってテクノロジー観の変容が描けるかも、とか思ったが、しかしなんか陳腐な気もする。
とはいえなんか懐かしいので、今度「ウォーゲーム」も見直してみたい。
あと井上夢人「パワー・オフ」なんかも重要か?


キャラは…カズマがすごく人気ありそうに見えたけど、
個人的には鬱屈があるように見せつつその辺の描写が薄かったので大したことがないように見えてイマイチだった。
やっぱりおばあちゃんがカッコよかったと思う。



新宿の紀伊国屋に行ったのだが、
「みんなでうんたん」は手に入らなかった。