DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

雑喉潤『三国志と日本人』B、片岡義男『スローなブギにしてくれ』B+

【最近読んだ本】 雑喉潤『三国志と日本人』(講談社現代新書、2002年)B 日本における三国志の受容を紹介した本。太平記や八犬伝への三国志の引用、吉川英治版における史実と創作の比較などを紹介してなかなか面白いが、読んでいるとただネタを並べて見せて…

リットン・ストレイチー『エリザベスとエセックス』B+、三宅乱丈『fish』1巻B

【最近読んだ本】 リットン・ストレイチー『エリザベスとエセックス』(福田逸訳、中公文庫、1987年、原著1928年)B+ イギリスでは高名な伝記作家であるらしい。エリザベス一世(1533-1603)の晩年において女王の寵愛を受けながら、失態を重ねて巻き返そうと…

陳舜臣『インド三国志』B+、石持浅海『人面屋敷の惨劇』B

【最近読んだ本】 陳舜臣『インド三国志』(講談社文庫、1998年、単行本1984年)B+ ムガル帝国最大の版図を築きながら、同時に帝国の衰退の原因もつくったアウラングゼーブ帝を中心に、マラーター族を率いて生涯ムガル帝国を苦しめた英雄シヴァージー、イン…

北野勇作『どーなつ』B+、岡嶋二人『クラインの壺』A

【最近読んだ本】北野勇作『どーなつ』(ハヤカワ文庫、2005年、単行本2002年)B+ 何者かによる日常への侵略を、侵略された者たちの意識から描いているので、何が起こっているのかわかるようなわからないような、そういう連作短編集。 最近はどうだか知らな…

大島直政『ケマル・パシャ伝』A、アンナ・クラーク『ルースをさがして』B

【最近読んだ本】 大島直政『ケマル・パシャ伝』(新潮選書、1984年)A オスマン帝国のもとで史上空前の繁栄を謳歌しながら、宗教の制約による西洋の近代化に遅れをとり、列強の蚕食を受けそうなところを、軍事・政治両方の才能によりトルコ国民を率いて独立…