DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

2012-01-01から1年間の記事一覧

最近は古い映画を観ていた。 『メメント』クリストファー・ノーラン監督、2000年。 記憶が10分しか続かない男が妻の死の謎を追う。ガイ・ピアース主演。 事件を追っていくとその真相は主人公の内部にあった、というオチは、多分ノーラン監督お得意なのだろう…

岡本賢一・笹生撫子『趣向』テディ文庫、2003年。 久美沙織『獣蟲記2 双頭の蛇』講談社ノベルス、1995年。 佐々木禎子『くくり姫』ハルキ・ホラー文庫、2001年。 柚原季之『ひまわりスタンダード 上』二次元ドリームノベルス、2000年。 ブックオフの中古ビデ…

岡本太郎・宗左近『ピカソ ピカソ講義』朝日出版社、1980年。 K・W・ジーター『垂直世界の戦士』ハヤカワ文庫、1998年。 ブルース・スターリング『ネットの中の島々 上』同、1990年。 マルグリット・デュラス『夏の夜の10時半』河出文庫、1992年。 今日行っ…

田名部宗司の『幕末魔法士』(電撃文庫)の第1巻を読んだ。 サブタイトルがMage Revolutionとあるように、明治維新を魔法使い(メイジ)が起こしたら、というコンセプト。適塾を中心にシーボルト経由で西洋魔術が移入されているらしき日本が舞台で、適塾門…

河野修一郎『千年の森』を読んだ。 著者は1945年生まれで、鹿児島大学の工学部を出て化学会社に勤務の傍ら執筆、他の本は小説『植樹祭』(みすず書房)やノンフィクション『検証!くらしの中の化学物質汚染』(講談社現代新書)など。多分昔エコロジストの立…

大井昌和『一年生になっちゃったら⑧』まんがタイムKRコミックス、2012年 久遠ミチヨシ『幼稚園からやりなおしっ!②』Highアクションコミックス、2012年 同系統?

G.I.Gurdjieff, "Beelzebub's Tales to His Grandson Book1,3", E.P.Dutton, New York, 1973

天祢涼の『キョウカンカク』を読んだ。メフィスト賞受賞作。 タイトルから察せられるように、「共感覚」を持つ探偵が登場する。 探偵――音宮美夜は、音を聞くと色を見ることができて、それにより他人が認識できない感情を知ることができる。これは共感覚とい…

青木透・編『ハードボイルド』丸善ブックス、1994年 藤脇邦夫『定本 小林信彦研究 仮面の道化師』弓立社、1986年 山崎浩一『書物観光』河出書房新社、1990年 『正史 三国志英傑伝 魏書・上』徳間書店、1994年

渡辺淳一の『光と影』を読んだ。 西南戦争で腕に重傷を負った二人の若者が主人公。医者の気まぐれで一人は腕を切り落とし、もう一人は実験のために腕を残して療養することになる。 腕を切り落とした男・小武敬介はすぐに回復して退院するが、身体障害者とみ…

佐野洋『推理日記』潮出版社、1976年 豊田有恒・編『ホラーSF傑作選』コバルト文庫、1978年 中島河太郎・編『新青年傑作選集4 ひとりで夜読むな』角川文庫、1977年 三輪秀彦『三輪秀彦作品集』能楽書林、2001年 ギュスターヴ・フロベール『フロベールのエジ…

渡会けいじ『O/A』6巻 角川コミックスエース、2012年

ドラマの『三毛猫ホームズの推理』を観ている。5話くらい観てようやく慣れてきた。 最初、ホームズがなんか太った猫だなあと思っていたらちゃんと理由があって、義太郎の前でだけ人間に化けて会話できるという設定なのだが、その人間形態がマツコデラックス…

谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!2』ガンガンコミックスオンライン、2012年

菱沢九月の『のらいぬ』(SHYノベルス)を読んだ。 (注・BL小説) 文学っぽいと思った。暴力が全編にわたって描かれ、それが現状からの脱出の希求に基づいているあたりが。90年代の文藝賞受賞作あたりを読んでいるような感じ。 この物語で少年――高津がのが…

松田志乃ぶ『平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり ひみつの乳姉妹』(コバルト文庫)を読んだ。 コバルト文庫の歴史に位置づければ、氷室冴子の『なんて素敵にジャパネスク』の流れを継ぐ平安時代少女小説であり、同時に正統なミステリ小…

金井美恵子『あかるい部屋のなかで』ベネッセ、1986年 唐沢俊一『B級学 マンガ編』海拓社、1999年 田中克彦『言語からみた民族と国家』岩波現代選書、1978年 堀切直人『飛行少年の系譜』青弓社、1988年 周正『中国の「野人」』中公文庫、1991年 J・P・サルト…

L・B・ホールステッド『「今西進化論」批判の旅』築地書館、1988年

黒田寛一『革命的マルクス主義とは何か?』こぶし書房、1969年 高信太郎『まんがハングル入門』カッパビジネス、1995年 利沢行夫『戦後作家の世界』荒地出版社、1971年 山田利一『「走れ、ウサギ」5部作と第二次大戦後のアメリカ』金星堂、2006年 『別冊宝島…

『SPEC天』を観たが正直微妙だった。 大体テレビ版の終盤ころから危なかったのだが。 (以下ネタバレ) 劇中で「スペック」と称される超能力は、人間が持つには破格の力であり、特にミステリでは反則になりかねないため、物語に緊張を与える方法としては、な…

高津春繁『ホメーロスの英雄叙事詩』岩波新書、1966年 樺山紘一他編『20世紀の定義5 新コペルニクス的転回』岩波書店、2001年 さくらももこ『コジコジ2・3』きみとぼくコミックス、1996-1997年 奥瀬サキ『コックリさんが通る1-3』ヤングサンデーコミックス、…

青木日出夫『世にも猟奇な物語』雄鶏社、1994年 高倉克祐『世界はこうしてだまされた2 UFO神話の破滅』悠飛社、1995年 橋本福夫『黒人文学の世界』未来社、1967年 増谷英樹『新しい世界史3 ビラの中の革命 ウィーン1848年』東京大学出版会、1987年 ミルチャ…

津本陽の『わが勲の無きがごと』を読んだ。 物語の中心となるのは、ニューギニア戦線から生還したある男。戦後、平穏な日々を送っていた彼は、ある日ふとした事故で死んでしまう。彼の義弟が語り手となり、存命中は明かされることのなかった彼の内面が暴かれ…

かれこれ5年以上使っていたノートパソコンが壊れたり、新しいものを買ったりしていた。今必要なファイルを移している。 パソコンが届くまでの数日は何もする(できる)ことのない至福の日々だった。

山本亜紀子の『穴』を読んだ。 売れない小説家・真木栗勉は、住んでいるボロアパートの壁に穴を見つける。その日から、そこから隣人の部屋を覗くのが彼のひそかな楽しみとなった。ことに美人が引っ越してきてからは、それをネタにした小説を書きながら日々妄…

津本陽の短篇集『嵐の日々』を読んだ。 冒頭2編が戦時中の学徒動員を扱った連作で面白かったが、他は土地や借金がどうとか言ってて読み飛ばしてしまった。にしても、津本陽が時代小説以外の作品を書いてて、しかもそれを耽美小説ばかりのイメージがある光風…

佐神良『僕らの国』(光文社)を読んだ。 南関東大震災やそれに乗じた某国の侵攻で崩壊した近未来の日本が舞台。政府が復興を目指して高度な全体主義体制を造り上げていく一方、関東地方はなぜか短期間の内に巨大なジャングルに覆われて実態不明の無法地帯に…

平山瑞穂の『3.15卒業闘争』を読んだ。 学生運動ものかと思ったらディストピアSFだった。 高度な管理体制のもとで支配される中学校で学生生活を何十年も繰り返している「少年少女」たちが、その閉塞状況から脱出するために立ち上がる――というのが本筋のはず…

井出孫六の『アトラス伝説』を読んだ。 著者は秩父事件(1884年の自由民権運動下で起こった農民反乱)についての著作で知られ、本書は「非英雄伝」で野口英世、「『太陽』の葬送」で大橋佐平(雑誌「太陽」の創刊者)、「アトラス伝説」で川上冬崖(幕末〜明…

秋山香乃『晋作 蒼き烈日』を読んだ。 作者について調べてみたら文芸社でデビューしていて、恐らく自費出版からの出発だったと思われるが、その後は文藝春秋など大手でも作品を出しており、成功した部類と言える。 本作はタイトルを見て分かるとおり高杉晋作…