DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

佐神良『僕らの国』(光文社)を読んだ。 南関東大震災やそれに乗じた某国の侵攻で崩壊した近未来の日本が舞台。政府が復興を目指して高度な全体主義体制を造り上げていく一方、関東地方はなぜか短期間の内に巨大なジャングルに覆われて実態不明の無法地帯に…

平山瑞穂の『3.15卒業闘争』を読んだ。 学生運動ものかと思ったらディストピアSFだった。 高度な管理体制のもとで支配される中学校で学生生活を何十年も繰り返している「少年少女」たちが、その閉塞状況から脱出するために立ち上がる――というのが本筋のはず…

井出孫六の『アトラス伝説』を読んだ。 著者は秩父事件(1884年の自由民権運動下で起こった農民反乱)についての著作で知られ、本書は「非英雄伝」で野口英世、「『太陽』の葬送」で大橋佐平(雑誌「太陽」の創刊者)、「アトラス伝説」で川上冬崖(幕末〜明…

秋山香乃『晋作 蒼き烈日』を読んだ。 作者について調べてみたら文芸社でデビューしていて、恐らく自費出版からの出発だったと思われるが、その後は文藝春秋など大手でも作品を出しており、成功した部類と言える。 本作はタイトルを見て分かるとおり高杉晋作…