DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

近藤雅樹『霊感少女論』B、落合信彦『崩壊 ゴルバチョフ暗殺』B

【最近読んだ本】 近藤雅樹『霊感少女論』(河出書房新社、1997年)B 甲南大学・松山大学・甲子園短期大学などで民俗学や人類学を教えるなかで得られた心霊体験を分類・分析してまとめた本。 さまざまな心霊体験の事例集としては面白い。冒頭にエピグラフの…

佐々木俊尚『「当事者」の時代』A、フランク・ティリエ『シンドロームE(上・下)』B

【最近読んだ本】 佐々木俊尚『「当事者」の時代』(光文社新書、2012年)A ツイッターでの議論が「マウントの取り合い」と揶揄されるように、人は往々にして、議論のときはまず自分を優位において、安全圏から一方的に意見してやろうとするものである。本書…

ドミニク・ラピエール、ラリー・コリンズ『パリは燃えているか?(上・下)』A、エーネ・リール『樹脂』B

【最近読んだ本】 ドミニク・ラピエール、ラリー・コリンズ『パリは燃えているか?(上・下)』(志摩隆訳、ハヤカワ文庫、1977年、原著1965年)A ナチスによる4年に及ぶパリ占領からの解放を描いた、ノンフィクションの歴史的傑作である。ナチス、フランス…

藤野可織『おはなしして子ちゃん』A、司城志朗『存在の果てしなき幻』B

【最近読んだ本】 藤野可織『おはなしして子ちゃん』(講談社、2013年)A 奇想小説と呼ぶのにふさわしい短編集である。標本の猿がしゃべりだすとか、人魚のミイラ(の作り物)が意識をもっているとか、写真を撮ると必ず心霊写真になるとか、ややグロテスクな…

安原顯『畸人伝・怪人伝 シュルレアリスト群像』A、ソウルダッド・サンティヤゴ『婦警トーニの爛れた夏』A

【最近読んだ本】 安原顯『畸人伝・怪人伝 シュルレアリスト群像』(双葉社、2000年)A ガラ(ダリを天才に仕立てあげた女性)、アルトー、バタイユ、ルーセルの4人の伝記――というより、彼らについての安原が気に入った評伝を紹介した本。もとは『鳩よ!』で…