DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

道尾秀介『光』B、梓林太郎『回想・松本清張 私だけが知る巨人の素顔』A

【最近読んだ本】 道尾秀介『光』(光文社文庫、2015年、単行本2012年)B 小学生男子のひと夏の冒険を描いた、道尾版『スタンド・バイ・ミー』である――ということに気づいたのは、エピローグでそれぞれのその後が語られてからだが。 面白いのだが、どうして…

東野圭吾『十字屋敷のピエロ』B、葉室麟『実朝の首』B

【最近読んだ本】 東野圭吾『十字屋敷のピエロ』(講談社文庫、1992年、単行本1989年)B 十字型の奇妙な屋敷で起こる連続殺人事件を描くミステリ。本作ではもう一ネタ、意識を持つ奇妙なピエロ人形というものが出てきて、そのピエロから見た事件が語られる。…

澤村伊智『予言の島』B、村崎友『風の歌、星の口笛』B

【最近読んだ本】 澤村伊智『予言の島』(角川ホラー文庫、2021年、単行本2019年)B 終盤までは楽しんで読めた気がする。舞台は瀬戸内海にある小さな島である。20年前、ある有名な霊能力者が「恐ろしい惨劇が起こる」と予言して死んだというその島に、「運命…

二階堂黎人『聖アウスラ修道院の惨劇』B+、梅原克文『サイファイ・ムーン』B

【最近読んだ本】 二階堂黎人『聖アウスラ修道院の惨劇』(講談社文庫、1996年、単行本1993年)B+ 実は二階堂黎人を初めて読んだ気がするのだが、予想していたより面白かった。これは日本で宗教ミステリを試みた、稀有な例である。野尻湖畔にある日本とは思…

今邑彩『そして誰もいなくなる』B、辻仁成『海峡の光』B

【最近読んだ本】 今邑彩『そして誰もいなくなる』(中公文庫、2010年、単行本1996年)B 名門女子高で、演劇部の生徒たちが『そして誰もいなくなった』になぞらえるように次々に殺されていき、殺された生徒たちがそれぞれに犯していた「罪」が明らかになって…