DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

佐々木禎子『くくり姫』B、パトリシア・カーロン『ささやく壁』B

【最近読んだ本】 佐々木禎子『くくり姫』(ハルキ・ホラー文庫、2001年)B 懐かしき世紀末小説、という印象である。幼いころから性的虐待を加えていた父を殺してしまった11歳の少女が、脳裏に響く菊理姫(くくりひめ)の予言に導かれたという謎の大学生の青…

黒澤いづみ『人間に向いてない』B、マーティン・ラッセル『迷宮へ行った男』B

【最近読んだ本】 黒澤いづみ『人間に向いてない』(講談社文庫、2020年、単行本2018年)B カフカの『変身』において謎なのは、虫に変貌したグレゴール・ザムザよりも、むしろ家族の反応のほうではないか――という話を読んだことがある。それに対して考えたの…

竹原漢字『気ままで可愛い病弱彼女の構い方』C、蘇部健一『ふつうの学校②』A

【最近読んだ本】 竹原漢字『気ままで可愛い病弱彼女の構い方』(富士見ファンタジア文庫、2016年)C 内容はタイトルの通りで、保健室登校の病弱な女の子と彼女の世話係になった「僕」が校内の謎に挑む日常系ミステリ――なのだが、とにかく「僕」の語りが読み…

  浅暮三文『石の中の蜘蛛』B、ドン・ペンドルトン『眼と眼が』C

【最近読んだ本】 浅暮三文『石の中の蜘蛛』(集英社文庫、2005年、単行本2002年)B 浅暮三文の本を久しぶりに読んだ。彼の作品の多くは奇想小説に分類されると思うが、アイデアは奇抜であっても小説自体はスタンダードに徹しているというところに特徴がある…