DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

注・BL小説 篠野碧『プリズム』(ディアプラス文庫、2001年)を読んだ。 BL小説には珍しく、恋愛に女の子がメインキャラとして絡んでくる。カラー口絵にまで出てくるので、むしろ彼女が最後にどうなるのか気になって読んだ。 高校生の稔人(みのる)は、親友…

大佛次郎の『由比正雪』(徳間文庫)を読んだ。上下巻。 江戸時代、軍学者・由比正雪は私塾を開き、3000人近い門弟を集めていた。彼は徳川家光の死の直後を狙って反乱を画策するが、実行を目前にして発覚してしまい、一味は自殺する。 史上名高い慶安の…

フレドリック・ブラウンの『霧の壁』を読んだ。 読んでいる間は少々退屈で、田中小実昌の訳のおかげで読み進めていったが、最後になってそれもまた仕掛けの一つだったことが判明して、やはり流石である。 主人公の「ぼく」は、気がついたときには直前までの…

コリン・ウィルソンの『黒い部屋』を読んだ。オカルト研究で名高い著者の唯一のスパイ小説。 キーワードとなる「黒い部屋」というのは実在した心理実験である。音や光を外界から遮断した部屋で長時間すごして、人間に与える影響を調べる。最初の一日は、外界…

山岡荘八『吉田松陰』(講談社文庫全2巻)を読んだ。 全体に説教臭いというか、読者への教訓として時代小説を書いているのがわかりやすすぎる。山本有三の『路傍の石』でも読んでいるような気分であった。もっと若いときに読めば感銘を受けたのかもしれない…

ボーダーランド文庫の『オデュッセウスの宇宙船』(ピーター・コロージモ)を読んだ。 表紙から、オデュッセウスの冒険は実は宇宙旅行だった!……という話かと思ったらそうではなく、オデュッセウスが出会った化け物たちは、太古の昔に地球に飛来した宇宙人だ…

ポール・オースターの『幽霊たち』(柴田元幸訳、新潮文庫)を読んだ。 私立探偵のブルーはホワイトの依頼をうけてブラックという男の監視を始める。 創作メモでも読んでいるような気分。事実の積み重ねとそれに伴う感情が、勿体ぶることなく淡々と語られる…

ロシアに行っていた。7月21日から8月22日までの1ヶ月間。 モスクワは暑かった。 最初の週は連日最高気温が36度だった。 モスクワは広いので、陽を遮るものもない。じりじり焼かれながらバスを待っていた。 で、土日に雨が降って、次の週は14度まで下がった。…