DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

最近買った本

西口克己小説集』(新日本出版社、1988年)から、何冊か入手。
 山本宣治の評伝小説『山宣』の著者・西口克己(1913-1986)の、いずれも読むのが大変そうな長編小説を集めた選集。


 構成は以下の通り:
  1.文珠九助 天明伏見義民伝
  2・3.廓 上・下
  4.山宣
  5.祇園祭
  6.新幹線
  7・8.高野長英 上・下
  9.びわ
  10.道成寺
  11.一輪の梅
  12.Q都物語
  13.青春・やどかり異変
  14.小説 蜷川虎三


 ずっと古本屋に並んでいて気になっていたのが高くて買えないでいた。先日一気に値下がりしたのでまとめ買い。
 この人の作品は社会派的なテーマのものが多く、純文学ともエンターテイメントとも異なっており、こういう分類の難しい作品はあまり評価されないまま埋もれていっている感がある*1。こういったテーマは読むのに骨が折れるが、知られざる鉱脈として期待したい。

*1:ぱっと思い付くところでは、清水一行有吉佐和子、小林久三といった作家がいるが、彼らのような有名で多作な作家以外にも、一、二作ながら重厚な作品をものした作家も本書のようにいるのである