DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

最近買った本・あるいは読まずに書評


<小説>


・『北の河高井有一 文春文庫
表題作は芥川賞受賞作。
気になる小説のメモ、というのを昔つけていたことがあって、その一つ目である「夏の日の影」を収録。
はるか以前国語の問題で「夏の日の影」というのを読んで感動し、
ずっと気になっていたのだが、6年目にしてようやく見つけた。


・『冥途・旅順入城式』内田百輭 岩波文庫

冥途・旅順入城式 (岩波文庫)

冥途・旅順入城式 (岩波文庫)

・『内田百輭集成1 阿房列車』同 ちくま文庫
阿房列車―内田百けん集成〈1〉 ちくま文庫

阿房列車―内田百けん集成〈1〉 ちくま文庫

所属している文芸サークルで森見登美彦の特集をやることになり、「内田百輭と森見」について書くために買った。
で、この二人が似ているといえるのかどうか凄く悩む。
敢えて言えば内田のエッセイは「太陽の塔」、小説は「きつねのはなし」に似ているといえるかもしれない。
ちなみに「阿房列車(あほうれっしゃ)」の書き出しは以下の通り:
「阿房と云うのは、人の思わくに調子を合わせてそう云うだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考えてはいない。用事がなければとこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。」
森見の太陽の塔はこんな感じ。
「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。
なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。」
似ているといえなくもないか?


・『風少女』樋口有介 同

風少女 (文春文庫)

風少女 (文春文庫)

粗筋によると、中学時代の初恋の人が浴槽で溺死したことを知り、
そんなカッコ悪い死に方は彼女らしくない、納得がいかない、と主人公がその事件を調べ始める、という話らしい。
何か納得がいかない。さわやか青春ミステリー、らしい。


・『零式』海猫沢めろん ハヤカワ文庫

零式 (ハヤカワ文庫JA)

零式 (ハヤカワ文庫JA)

内容の前にプロフィールが一部で話題になっているリアル・フィクション
サイン入りを見つけたので買った。


・『消滅の光輪 3』眉村卓 同
眉村卓の作品史上最高傑作とされている作品。
泉鏡花賞を受賞した。


・『屍鬼 下』小野不由美 新潮社

屍鬼〈下〉

屍鬼〈下〉

これで上下巻揃った。いつ読むのかは知らないが。


・『サプリメント戦争』三浦俊彦 講談社

サプリメント戦争

サプリメント戦争

「狂信者たちが突入した市街戦にゲリラとなって少年は立ち向かう――情報に溺れた現代文明の歪みを抉る暴走ストーリー」
面白そうだと思う。


・『本格推理委員会』日向まさみち 産業編集センター

本格推理委員会

本格推理委員会

滝本竜彦絶賛のライトノベルミステリ。
この人はその後どうなったのだろうか。


・『レジンキャストミルク藤原祐 電撃文庫

レジンキャストミルク (電撃文庫)

レジンキャストミルク (電撃文庫)

藤原祐が好きかどうかは微妙なところである。
描かれるフリークスたちにどうも歪みとかが感じられない。


・『聞きたい言葉がある(上)(下)』久能千明 ダリア文庫

上下巻から成るBL。これの続編が「月の砂漠殺人事件」で、やはり上下巻。
こちらはもう買っていて、続編ということで読むのをためらっていたのだが、ようやく読める。
BLの枠組みの中でどんな物語が展開されるか、楽しみである。


・『宇宙のランデヴー』アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫

宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))

宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))

クラークの原点にあたるファーストコンタクトSF。


・『青ひげ』カート・ヴォネガット 同

青ひげ (ハヤカワ文庫SF)

青ひげ (ハヤカワ文庫SF)

・『ガラパゴスの箱舟』同
ガラパゴスの箱舟 (ハヤカワ文庫SF)

ガラパゴスの箱舟 (ハヤカワ文庫SF)

この人と村上春樹がどう関連しているのかはよくわからない。
どこか諦めた感じが似ているということだろうか。


・『魔力』トニイ・ヒラーマン 同
この作品の続編を原書で読んだことがあって、挫折した。
主人公がナバホ族の人間で、それが結構重要だった(らしかった)のである。
というわけで日本語で挑戦。


・『悪魔の国からこっちに丁稚<上><下>』L・スプレイグ・ディ・キャンプ 電撃文庫

悪魔の国からこっちに丁稚〈上〉 (電撃文庫)

悪魔の国からこっちに丁稚〈上〉 (電撃文庫)

悪魔の国からこっちに丁稚〈下〉 (電撃文庫)

悪魔の国からこっちに丁稚〈下〉 (電撃文庫)

田中哲弥のむちゃくちゃな超訳で有名。


<学術・エッセイ>


・『モードの迷宮』鷲田清一 ちくま学芸文庫

モードの迷宮 (ちくま学芸文庫)

モードの迷宮 (ちくま学芸文庫)

ファッションと哲学。


・『近代文藝12講』生田長江森田草平、野上臼川、昇曙夢 新潮文庫
昭和8年9月27日初版発行、昭和14年8月25日23版、定価65銭。
判型は新書判に近い。
自然主義ロマン主義のほか、フランス、南欧、ドイツ、スカンジナビア、ロシア、英米などの近代文学を幅広く紹介。しているらしい。


・『近代の労働観』今村仁司 岩波新書

近代の労働観 (岩波新書)

近代の労働観 (岩波新書)

現代社会の労働を分析し、労働中心主義になっている現状を告発し、人間が自律的に生きるべく労働文明の転換を提唱する本、らしい。
そんなものも書いていたとは。


・『超能力の世界』宮城音弥 同

超能力の世界 (1985年) (岩波新書)

超能力の世界 (1985年) (岩波新書)

超能力に関する科学的研究の紹介。
こんなものが岩波で出ていたあたりが、時代を感じさせて面白い。


・『これがニーチェだ』永井均 講談社現代新書

人生に実用的な知識を与えるものとしてとかそういう目的ではなく、
あくまでも純粋にニーチェを語る、ということらしい。
元々役に立つとか思ってない気もするが。


・『20世紀言語学入門』加賀野井秀一 同

言語学現代思想の原点であるとして、構造主義記号学までの流れを語る。
ブルデューなどにも触れているらしい。
多分新書の薄さでは不完全なものになっているだろうと思う。


・『見えない物語』大塚英志 弓立社

見えない物語―〈騙り〉と消費

見えない物語―〈騙り〉と消費

民俗学マーケティングの見事な結合で、新しい消費パラダイムを大胆に予測!マーケティング関係者必読。」
民俗学がこんなに役にたつものだとは知らなかった。
「物語消費論」のサブテキストのような感じ。


・『うわさ帖』半村良 集英社文庫

うわさ帖 (集英社文庫)

うわさ帖 (集英社文庫)

戦国自衛隊」などで有名な伝奇作家・半村良のエッセイ集。
「見て見ぬふり」「社長の兄貴」「浮世タクシー」のほか、「UFOと超能力」など、
様々な職歴を経てSF作家(?)になった彼の人生観が明かされている……のかもしれない。


・『ミシェル 城館の人第一部・第二部』堀田善衛 集英社文庫

ミシェル城館の人〈第1部〉争乱の時代 (集英社文庫)

ミシェル城館の人〈第1部〉争乱の時代 (集英社文庫)

ミシェル 城館の人 第二部 自然 理性 運命 (集英社文庫)

ミシェル 城館の人 第二部 自然 理性 運命 (集英社文庫)

モンテーニュの評伝、らしい。


・『哲学する心』梅原猛 講談社文庫

哲学する心 (1974年) (講談社文庫)

哲学する心 (1974年) (講談社文庫)

梅原猛の思想の根幹を明らかにした本、らしい。
まあこの人の本は全く読んだことがないが。


・『笑う街角』南伸坊 ちくま文庫

笑う街角 (ちくま文庫)

笑う街角 (ちくま文庫)

街角で見つけたヘンなものの話。
表紙は「笑う街角」のタイトルの横に大きく「くすり」と書かれた看板。


・『森毅の学問のススメ』森毅 同

森毅の学問のススメ (ちくま文庫)

森毅の学問のススメ (ちくま文庫)

編集・浅田彰。主に学問について語った対談集。
森毅によれば、浅田彰が色々ものを知っていたりするのは高性能のコンピューターと同じようなものでそう凄いものではないが、彼の編集能力は間違いなく天才である、とのこと。


・『われ笑う、ゆえにわれあり』土屋賢二 文藝春秋

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

この人の本はまだ読んだことがないが、帯を見た限りでは面白そうである。


・『オリンポスの黄昏』田中光二 集英社

オリンポスの果実」で有名な小説家・田中英光の息子にして有名な冒険小説家・田中光二が、父について語った本、らしい。


・『人工楽園』ボードレール 角川文庫

人工楽園 (角川文庫クラシックス)

人工楽園 (角川文庫クラシックス)

悪の華」で有名なボードレールが、麻薬や酒の陶酔について語った本。
すばらしい新世界」で有名なオルダス・ハクスリーの「知覚の扉」とならぶ、
ドラッグ文化の必読古典、らしい。


・『夢の言葉・言葉の夢』川又千秋 ハヤカワ文庫

SF評論家・SF作家・架空戦記作家などとして有名な川又千秋の評論集。
100円でサイン入り。「妄想の力」と書かれていた。
ちなみに「夢の言葉」とは、「無意識の中でのみ使用可能であるような言語以前の言葉」であり、
「言葉の夢」とは、言語がその固有の構造、結びつきによってだけ生み出せる反現実的世界、とのこと。
前者が「夢の世界の言葉」で、後者が「言葉の見せる夢」というところだろうか。
この人も大概ロマンチストである。


・『海馬』池谷裕二糸井重里 朝日出版社

海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス

海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス

友人が大絶賛していた脳科学の第一人者と、大人気コピーライターの対話。
この本が面白いかどうかは知らない。


・『日常生活批判序説』H・ルフェーヴル 現代思潮社

日常生活批判―序説 (1978年)

日常生活批判―序説 (1978年)

第三章のタイトルは「日常生活の批判的認識としてのマルクス主義」。
つまり多分そういう本。


・『米国メディア戦争』アレックス・B・ブロック 角川書店

米国メディア戦争(ウォーズ)最前線―全米TV界制覇戦略

米国メディア戦争(ウォーズ)最前線―全米TV界制覇戦略

アメリカのあらゆるメディアの熾烈な争いを描いたノンフィクション。
90年代初頭の話だが、興味深いには違いない。
ただ聞いたことのない固有名詞ばかり出てくるはずで、それをどの程度楽しめるかは疑問。


・『BASHAR2・3』バシャール、ダリル・アンカ VOICE
宇宙存在バシャールのメッセージを、ダリル・アンカがチャネリングによって伝えたもの。
バシャールとは地球よりも文明が300年進んだ星・エササニの宇宙飛行士だそうである。
スピリチュアリスト(?)の基本文献。
メッセージは善をなせ、とか、ダメと思うと本当にダメになる、とかそんな感じ。


<コミック>


・『CROWN②』中西達郎 ブレイドコミックス

クラウン(2) ブレイドコミックス

クラウン(2) ブレイドコミックス

SFファンタジーの傑作……になりそうな作品。
もっと人気が出てほしい。


・『DOLLS③<限定版>』naked ape ゼロサムコミックス

DOLLS (3) 限定版 ZEROSUMコミックス

DOLLS (3) 限定版 ZEROSUMコミックス

未だに一巻も読んでいないが、限定版なので買っておく。
今は「SWITCH」(ガンガンウィングコミックス)を集めている。


・『天上天下③』大暮維人 ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ

天上天下 3 (ヤングジャンプコミックス)

天上天下 3 (ヤングジャンプコミックス)

半年おきに買っているような気がする。それほどつまらないわけでもないのだが、
いつ行っても105円の棚にあるので安心して買わなくなるのである。
格闘シーンは読んでいて気持ちいい。


・『エルフェンリート④』岡本倫 ヤングジャンプ・コミックス

エルフェンリート 4 (ヤングジャンプコミックス)

エルフェンリート 4 (ヤングジャンプコミックス)

同じく。こちらは滅多にないのであれば買う。
絵は少しづつ進歩しているようだし、これから面白くなることを願う。


・『電脳ビリーバーズ②』海月志穂子 プリンセスコミックス

電脳ビリーバーズ 2 (プリンセスコミックス)

電脳ビリーバーズ 2 (プリンセスコミックス)

最初は全く期待しないで買ったが、凄く面白い。


・『RESET』筒井哲也 ヤングガンガンコミックス
サイバー・ホラーらしい。WEBコミック出身だそうで、
続く「マンホール」は中条省平が絶賛してたから、これからもっと話題になるかもしれない。


・『わさび 1』一條裕子 ビッグスピリッツコミックススペシャル

この人のシュールさが大好きである。


・『東京ミカエル上・下』堤芳貞・大塚英志 ニュータイプ100%コミックス

東京ミカエル―Seventeen’s wars (上) (ニュータイプ100%コミックス)

東京ミカエル―Seventeen’s wars (上) (ニュータイプ100%コミックス)

東京ミカエル―Seventeen’s wars (下) (ニュータイプ100%コミックス)

東京ミカエル―Seventeen’s wars (下) (ニュータイプ100%コミックス)

大江公彦とかが出てくるらしい。絵が好き。


・『夢で逢いましょう山本直樹 太田出版

夢で逢いましょう (Ohta comics―山本直樹SELECTION)

夢で逢いましょう (Ohta comics―山本直樹SELECTION)

森見登美彦絶賛の「眠り姫」(内田百輭の小説の漫画化)所収。
結構簡単に著作権の許可が下りたそうである。


・『メッシュ全三巻』萩尾望都 白泉社文庫

メッシュ (1) (白泉社文庫)

メッシュ (1) (白泉社文庫)

メッシュ (2) (白泉社文庫)

メッシュ (2) (白泉社文庫)

メッシュ (3) (白泉社文庫)

メッシュ (3) (白泉社文庫)

萩尾望都は「エッグ・スタンド」が一番好きである。


・『ブルー・ロージス』山岸涼子 文春文庫

ブルー・ロージス―自選作品集 (文春文庫―ビジュアル版)

ブルー・ロージス―自選作品集 (文春文庫―ビジュアル版)

「ハトシェプスト」同この人は基本的にハズレのない人だと思う。


<洋書>


・“ Lolita” Vladimir Nabokov,Penguin

Lolita

Lolita

原書。英語版なのだが、
この話にはインテリを気取ってフランス語を話ししかも間違っているという女の人が出てくるらしく、
しかも訳はなし、ときているそうなので、非常に読むのは難しそうである。


・“ESCAPE TO HELL and other stories” Muammar Quaddafi ,Stanke

Escape to Hell and Other Stories

Escape to Hell and Other Stories

よくわからないがカダフィ著。