DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

1.井上昭夫『現代・思想・元の理』天理やまと文化会議、1990年。
2.島田晴一『由来 一巻』天心聖教、1974年。
3.武田崇元出口王仁三郎の大降臨』光文社カッパホームズ、1986年。
4.『古老が語る 江東区の災害』江東ふるさと文庫、1987年。
5.済公活佛・玉虚童子『萬古奇書 地獄遊記』張金城・森川篤子訳、四海書房、1994年。



1.宗教団体が力を持っていた頃の産物…ということで、神秘体験や信仰についての文章に混じって、三木成夫やダスキン社長との対談なんかが載っている。こういうのは著作集にも入ってないのでファンには貴重である。
2.天心聖教という宗教の開祖の回想録。ぱらぱら見てみると、子どもの頃からの神秘体験や戦時中の話、その後の事業経営のことなど、波乱万丈の人生を、自慢話も凄惨な話も同じ、懐かしい過去を語るようなトーンで語っているのが少々怖い。

北風の強いのに吹かれ、あまり寒いので、温かい上着でも着て出直そうと思って家に戻りますと(編者注・神様が、家へ戻る心を起こさせるために、ヒューと冷たい風を吹きつけられたものと拝察いたします)

とか「考察」があちこちにあって、こういう考え方ができると毎日楽しそうである
3.この本、89年に3刷も出てるのだが、当時は割と売れたのだろうか。前半は王仁三郎の生涯を紹介しているが、途中からフラクタル幾何学とか霊界コンピュータとか出てきて、武田崇元の本という感じになる。推薦は当時東洋大学講師だった四方田犬彦
4.明治・大正生まれの老人たちが、水害や関東大震災の思い出について語った記録。85年の時のインタビューなので、関東大震災など多くが老人たちの幼少期の記憶だし、断片的なものだが、それでも貴重な記録である。非売品らしいのが惜しい。
5.中国では有名な僧・済公が、弟子を引き連れて地獄を見て回る、という本。類書はいくつもあるが、これが元祖なのだろうか。いつもお酒を飲んでいるような型破りな僧だったらしく、親しみやすい口調で訳されている。