コナン・ドイルと切り裂きジャック
当時「切り裂きジャック」の事件があったでしょう。あれをコナン・ドイルは採り入れてないんです。関心がなかったかというとそうではなく、ドイルは「自分はこの犯人はこういう人間だと思う」と書いて、密封してロンドンの警視庁に渡して、何十年かたったら開けてもいいということになってるんですね。それが来年か再来年(注:本が出たのは92年)でしょう。だから関心はあったわけだ。どうして書かなかったのかというと、やっぱりタブーがあったせいです。「切り裂きジャック」の事件はセックス犯罪ですからね。当時セックスはタブーだったから書けない。(p.128-129)
「20世紀とは何だったのか―マルクス、フロイト、ザメンホフ」
なだいなだ・小林司
朝日選書
1992年刊
発言はもちろん、精神科医にしてシャーロッキアンで有名な小林司の方。
なぜドイルが切り裂きジャックのことを書かなかったのかは、ホームズ研究家の間では長年の議論の的らしいけど、
彼が犯人を推測した手紙を遺していた、というのは初耳である。
ネットで調べてみるとドイルは、外科技術を持っていたとか、女装していたんじゃないかとかあれこれ推測していた、とあるが、これがそのことなんだろうか。
そういえば「黒執事」の切り裂きジャックの正体って、この辺の話をもとにしたものだったのかな。
20世紀とは何だったのか―マルクス・フロイト・ザメンホフ (朝日選書)
- 作者: なだいなだ,小林司
- 出版社/メーカー: 朝日新聞
- 発売日: 1992/01
- メディア: 単行本
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