DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

1.大仏次郎『湖上の姫 桜子』徳間文庫、1991年。
2.ジョージ・ヘイ編『魔道書ネクロノミコン』大瀧啓裕訳、学研M文庫、2000年。
3.リリアン・ヘルマン『眠れない時代』小池美佐子訳、ちくま文庫、1989年。


1.応仁の乱の時代、弁慶の異名をとる怪力の男が名も知れぬ美少女を拾い、ともに旅をする。本人的には初の女性を主人公にした野心的作品だったらしい。『ロリータ』のようであるが、ぱらぱら見ると足利直冬なども登場するようで、結構壮大な話になりそうである。
2.クトゥルーの魔道書・ネクロノミコンについての「研究書」。一部「原文」も収録。序文がコリン・ウィルソンだが、それだけで100ページこえてるあたりがさすがである。本当は自分が書きたかったのではないか
3.ダシール・ハメットの恋人だった劇作家リリアン・ヘルマンによるマッカーシズムの時代の回想録。ハードボイルドファンにも貴重な資料だと思うのだが、あまり知られてないのがもったいない