DEEP FOREST/幻影の構成

読書記録。週2冊更新。A:とても面白い B:面白い or ふつう C:つまらない D:読むのが有害

以前、こんな写真がツイッターで紹介されていた。


ところで、これは何の実験なのだろうと思っていたのだが、その説明らしきものを見つけた。

 現在の発電・送電には交流が使われる。なぜ直流が使われないのだろうか。電力産業の発展初期(19世紀の後半)、交流がいいか直流がいいか、科学者や電気技術者は二大陣営に分かれて激しい論争をくり広げた。
 直流を支持した側には、発明王エジソンアメリカ)をはじめ、ケルビン(イギリス)など有名な科学者・技術者がいた。
 特にエジソンは、強力な直流論者であった。彼は、当時すでに直流による発電・送電システムに多くの資本を投下しており、交流システムを激しく攻撃した。そのようすは次のようであった。
エジソンと交渉のあった技術顧問のH・P・ブラウンは法律で電気死刑に交流を採用するよう主張し、1889年そのためにエジソンの競争相手で交流方式を開発していたウェスティングハウスの交流機を購入するように事態を運んだ。そうしておいて、死刑に使われるほどだから交流は危険だとふれまわり法規制を求めた。またあるときはウェストオレンジのエジソンの大研究所に新聞記者や客を招き、エジソンとバチェラーが1000ボルトの交流発電機につないだブリキ片にイヌやネコを近づけて殺し、交流の危険性を宣伝した」(山崎俊雄・木本忠昭『電気の技術史』オーム社
 交流派も負けていなかった。交流を支持してエジソンの会社を辞めたテスラ―(アメリカ)は、交流が危険でないことを示すために、高電圧の放電実験の稲妻の下に座って本を読んで見せた。
 エジソンの必死のキャンぺーンにもかかわらず、この論争は交流派の勝利に終った。
                      ̄ ̄福島肇『電磁気学のABC』ブルーバックス、pp.152-153

というわけで、パフォーマンスであって、純粋に実験をしていたわけではないらしい。