■
今日はヤロスラフ・ハーシェクの『二等兵シュベイク』(三一新書、1968年)を読んだ。チェコでは知らない者はいないほどの国民文学で、現在流通している栗栖継の完訳は岩波文庫で全4巻の大長編であるが、こちらの辻恒彦訳は、おしゃべりが「冗長で散漫である」として、日本人には理解しにくい部分はどんどんカットし、駄洒落など語り口もできる限り生きている日本語に移し変えて訳したという、新書版全1巻の珍品である。初訳は1930年で、今どきこんなことをすると読者が怒り狂いそうだが、確かに楽しんで読めた。訳者の言葉に偽りなし。
- 作者: ヤロスラフ・ハーシェク,辻恒彦
- 出版社/メーカー: 三一書房
- 発売日: 1968
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (2件) を見る