2021-01-01から1年間の記事一覧
【最近読んだ本】 竹原漢字『気ままで可愛い病弱彼女の構い方』(富士見ファンタジア文庫、2016年)C 内容はタイトルの通りで、保健室登校の病弱な女の子と彼女の世話係になった「僕」が校内の謎に挑む日常系ミステリ――なのだが、とにかく「僕」の語りが読み…
【最近読んだ本】 浅暮三文『石の中の蜘蛛』(集英社文庫、2005年、単行本2002年)B 浅暮三文の本を久しぶりに読んだ。彼の作品の多くは奇想小説に分類されると思うが、アイデアは奇抜であっても小説自体はスタンダードに徹しているというところに特徴がある…
【最近読んだ本】 豊島ミホ『夜の朝顔』(集英社文庫、2009年、単行本2006年)B ある地方都市(作者の出身を考えると秋田だろうか)に住む女の子・センリを主人公に、小学1年生から6年生までに出会ったいくつかの小さな「事件」を描く連作短編集。 「事件」…
【最近読んだ本】 太田忠司『僕の殺人』(講談社文庫、1993年、単行本1990年)B 15歳の少年が、10年前の両親の死の謎、そしてその事件で失われた彼自身の記憶の秘密を探っていく。 青春ミステリ――と呼ぶには、あまりに残酷である。青春ミステリにおいては普…
【最近読んだ本】 芹澤準『郵便屋』(角川ホラー文庫、1994年) B 平凡な男のもとにある日、差出人不明の奇妙な手紙がとどく。その手紙にはたったひとこと、「ひとごろし」と書かれてあった。その不気味な手紙は、その日から彼のもとに毎日届くようになる。 …
【最近読んだ本】 森村誠一『凶学の巣』(新潮文庫、1984年、単行本1981年) C 校内暴力に悩まされる中学校で殺人事件が起こり、暴力グループのリーダーが疑われる。しかし彼は皮肉にも、その時間はある教師の妻を強姦していたという「アリバイ」があった。…
グレアム・マスタートン『黒蝶』(務台夏子訳、ハヤカワ文庫、2001年、原著同年)B イギリスでは有名な作家だそうだが、日本ではほとんど知られていない。解説の著作リストをみると赤川次郎ばりの多作なので、よくあるB級ホラーかと思いきや、単なる読み捨て…
【最近読んだ本】 荒巻義雄『エッシャー宇宙の殺人』中公文庫、1986年、単行本1983年 B 人の見る夢が創り上げた街・カストロバルバ。人と人の意識が融合し、空間がねじ曲がる、エッシャーの絵画そのもののような世界で起こる殺人事件に、夢探偵・万治陀羅男…